リノベーション完成見学会【断熱/マンション】
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2024年9月14日(土)・15日(日)に名古屋市天白区にてリノベーション完成見学会を開催しました。
今回のお施主様(K様)がリノベーションされるきっかけとなったのは「断熱」です。
冬場が寒いのでなんとかしたい、というもので、K様はマンションが完成してから30年弱、手を付ける必要がないほど丁寧に愛着を持って暮らされておりましたが、これを機にリノベーションを希望されました。
まず温熱のシミュレーションにて断熱性能の指標にもなる外皮平均熱還流貫流率(UA値)を算出して断熱工事の方向性、全館空調の計画や熱交換型換気システム採用を検討しました。
①外気温の影響を受けにくい高気密
②省エネルギーの空調機器の採用
基本的な省エネルギー住宅の考え方はこの2点ですが、マンションではどうしても共用部分(工事不可)がありポテンシャルに寄ってしまい、①②それぞれできることが変わってくるため、まずこの住まいではどこまで何ができるのかを理解することが必要になってきます。
[断熱シミュレーション協力:株式会社ユニソン]
様々な方向性を比較検討した上でK様は、今まで暮らしてきた感覚を基に満足度を高めたいという結論に至り、南ゾーン(団らんの場)と北ゾーン(個室)で分けるゾーン断熱で考えていくことにしました。
そもそも南ゾーンは夏も軒の出がも大きくそこまで暑くなることなく快適だし、二重サッシにするのもバルコニーの出入りが面倒になりそうなので南側は基本的にはそのままに。
そして冬場にネックとなる北ゾーンの居室は掃出窓に囲われているのでそこには二重サッシを設置。
要所に断熱材を追加してメリハリのある断熱計画を行いました。
また内装材も生活シーンをイメージしながら心地よさを追求して、床には柔らかく足触りのよい杉材を採用し、普段手に触れるドアノブや取っ手も木製のものを採用。
木素材が比較的多いので、なんとなく木目が好きな施主なんだな、という思考で留まりがちですが、その背景やコンセプトがわかるとまた見え方が変わってくるのではないでしょうか。(…なので是非見学会を体験していただきたいです)
最後に、このお宅の顔ともいえるオーダーキッチン。
特にアイランド作業台は様々な寸法の規制があったので納まりは話すとキリがないくらい繊細で、正直ここまできれいな納まりで再現する指示ができる自信が…職人の方々には感謝しかないです。
バランスを見て対面の作業台腰壁は白が良いとご提案しましたが、K様的にはここも木が良いとのこと。いや、白がいいと思いますよと。そして打合せの最後に、せめてリビング裏面だけでも木にしたい、とのことで最終的に白と木のツートーンの仕様に。結果空間になじみつつ特徴的なキッチンになりました。
断熱計画もインテリアも隅々まで意見交換を重ねた結果できたこの住まいを象徴的するディテールとして個人的に好きなポイントです。
完成見学会も大盛況で、午前に見学された方がもう少し見学したいと午後にもいらっしゃいました。
実際、断熱以外にも生活音に対する防音壁、壁一面有孔ボードのご主人の趣味部屋、収納計画と動線計画、調光調色やグレアレスの照明計画、等々こだわり満載です。
またK様のご厚意で生活が馴染んだ頃に事例ページ写真の撮影の予定もしておりますので、気長にお待ちください。